Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「うわぁ」
お兄ちゃんの部屋に足を踏み入れた途端、感嘆の声を上げた。
1階のあたしの部屋とは反対側になるので間取りは逆だったけれど、同じ位の広さの部屋はまるで海の中みたいだった。
水色で塗られた壁にはモザイクが施され、窓から入ってくる光を反射してキラキラ光っている。
ターコイズブルーのベッドカバーにはイルカの抱き枕が横たわり、群青のカーペットは引き伸ばされたクッ○ーモンスターみたいだ。
ここも。
お兄ちゃんの部屋は真っ青だった。
「私の部屋は白、オーナーの部屋は赤・・・お兄ちゃんの部屋は青なんだね」
「そういうこと、この家は部屋毎にテーマカラーが決まってるんだ」
お兄ちゃんは空色の椅子に座りあたしに振り向いた。
「何でって思うだろ?でも、意味はないんだ。虎の気まぐれ。虎はさ、大学入学を機に日本に来たんだけど・・・」
初めはお兄ちゃんと同じく、学生寮に入っていたのだけれど、門限や食事など時間に厳しい寮生活に疲れてしまい、郊外に一軒家を買って貰ったのだそうだ。