Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
それから2人の距離はどんどん近づいて、すぐに恋人になった。
彼は気さくで一緒にいると楽しかったし、自分も素でいられた。
「彼と付き合っている時は最高に楽しかった。それまでの恋愛は相手が顔や体目当てだったり、束縛がすごくて窮屈な思いをしたりで最悪だった」
奈々はため息を吐くと、違う写メを見せてくれた。
ボブヘアーの女の人が写っている。
会社のランチの席での1枚だろうか?コーヒーを持って微笑んでいる。
キレイなタイプではないけれど、にっこりと笑うその表情には愛嬌があった。
「誰?」
「この子を見て、ぱっと見どう思う?」
奈々はあたしの問いには答えずに質問してきた。
「美人ではないけれどいい人そう」
「こういう子、クラスに1人はいなかった?ぽっちゃりしてて、いつも笑ってて、当たり障りのない子。普通って言葉が似合いそうな」
「そう、大抵の人はそう答える。逆に私ってぱっと見どう?」
「そうねぇ、奈々は美人だから目を引くけど、目鼻立ちがはっきりしすぎてて、ちょっとツンツンした印象を受けるわ。メイクすると余計強調されるから、初対面だと話しかけにくいのはあるかもね」
「だよね、花だって、最初、すごいびびってたもんね」
自虐的に笑いながら奈々はあたしを見る。