Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
バレてたの?ちょっと恥ずかしくなって下を向く。
でも今はそんな風に思ってないからと心の中で呟く。
「だから初対面の人って苦手なんだよね。先入観に捕らわれすぎてて、中身を見てくれないし。女が特にそう。男は寄って来てくれるから、だったら男に媚びた方がいいって思ちゃったの。そしたらどんどん女に嫌われたし」
「確かにあれじゃ同性に嫌われるのも無理ないわ」
「解ってるわよ、ヘコんでるんだから、ストレートに言わないでよ」
奈々が睨むとサンゴちゃんは肩を竦めた。
入社当時から男に言い寄られることが多かった奈々、それを面白くないって思う女子社員も多かった。
飲み会に奈々だけ誘われなかったり、更衣室やトイレでの悪口言われたりは日常茶飯事だった。
それでも耐えていたのは紫村さんとあの居酒屋があったからだ。
紫村さんが本当の私を解ってくれれば他で何を言われても構わないって思ってた。
「で、話戻るけど、この写メの人が桝崎(ますざき)アヤメって言って、常務の娘なの」
歳は25歳。
某私立大の卒業で、卒業後、一応「留学」って形で海外に行っていた。
帰国後、当たり前のように会社に就職した。
「このアヤメが目をつけたのが紫村さんだったの」
アヤメの配属先は奈々と同じ受付だった。