Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
1人家にこもって悶々としているより、自分じゃない誰かがでも家の中にいる安心感が欲しかった。
通勤時間は今まで住んでいた所よりかかってしまうけれど、家の雰囲気も好きだし、商店街も栄えてるし、公園も近くにあるし、一緒に住むのが男の子のイケメン率が高かったから、即決した。
もしかしたら新しい恋が生まれるんじゃないかって期待がなかったわけでもない。
実際、そんなことはなかったのだけれでも。
「ここに引っ越してきて、心機一転また頑張ろうって思った矢先のことだった。アヤメが婚約したの。相手は紫村さんだった」
「嘘?」
「好きな人ってアヤメだったの?」
あたしもサンゴちゃん驚きのあまり立ち上がってしまった。
奈々は静かに首を横に振った。
「結局は彼も昇進を取ったってことなんだよね。ある日、出社したら、アヤメが左手にダイヤの指輪を光らせて不自然な感じで私にアピールしてくるわけ。聞いて欲しいんだな、面倒くさいって思ったけど、訊いてあげたの。そしたら・・・」
「彼にプロポーズされたの~奈々さんもよ~く知ってるでしょ?営業部の紫村さん」
満面の笑みでそう答えた。
きっとこの瞬間をアヤメは望んでいたに違いない。
勝ち誇った目で厭らしく笑ってた。
最悪だと思った。
この女も、あの男も。