Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「ごめん、やっぱり俺のせいだよな」
苦笑しながら紫村さんは奈々を抱き締めた。
そして奈々の顔を自分に向けてキスをした。
奈々を愛しむような優しいキスだった。
「その日を最後に紫村さんとは会社以外でもう会わないって決めて彼の部屋を後にしたの。でも、偶然、彼の部屋にやって来たアヤメに鉢合わせしてしまった」
アヤメは余裕の笑みを見せ、
「どうも、奈々さん。恒ちゃんがお世話になりまして~」
と挨拶して来た。
気まずくて、彼女を無視してその場を去った。
嫌な予感がした。
その嫌な予感は的中した。
「休み明け、出社したら大変なことになってたの。アヤメが更衣室で泣いてて、同僚に慰められてるの。原因は私。紫村さんに迫ったってことになってて。もう、みんなから悪者扱い」
耐えられなくなってすぐに辞表を出した。
辞表はあっさりと承諾された。
もしかしてアヤメが裏で吹聴してたのかもしれない。
惨めになるだけだから深く考えるのは辞めた。
「この間、花が見た公園での一件は、会社を辞めたって知った紫村さんがわざわざ逢いに来たの。今住んでいる所、調べて。仲が良かった同僚には話してたから彼から聞いたのかもしれない。もう逢いたくないって言ったんだけど、家に押しかけるって言うから仕方なく・・・」