Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
泣き腫らした顔をお互い笑い合いながら、奈々の部屋を後にする。
「おわっ、と、虎ちゃん、いたの?」
部屋を出た瞬間、廊下の壁際に紅虎が佇んでいた。
不意打ちだったサンゴちゃんが思わず仰け反る。
ぼそりと何か呟くと、紅虎はそのまま階段を駆け上がって行った。
「びっくりしたぁ~、もしかして、私たちの話聞いてたかしら?」
「どうだろう?」
首を傾げながらリビングへと向かった。
「明日の夜ですか?」
「そう、結婚のお祝いパーティーが急に入って、金次が俳優の仕事で暫らくバイトに来れないみたいなの。花ちゃん代わりに出てもらえると助かるんだけど・・・」
「大丈夫ですよ」
「本当?良かった。頼むわね」
「金次くん今度は何の役なんだろう?」
「あんまり人に言っちゃいけないみたいなんだけどね、ホストの役なんだって」
カヲルさんは笑いを堪えながらそっと耳元で教えてくれた。
ホスト?
小柄で甘いマスクの金次くんがスーツを着て、シャツのボタンを胸元まで外して、シャンパンタワーにドンペリを注ぐ姿を想像する。