Colors of Life ～ドキドキ！ルームシェア～

　あたしが席に着くと、紅虎が待ってましたとばかりに話を始めた。


　みんなに目配せをし、小豆ジャージのポケットから写真を取り出した。


　「今回のターゲットはこいつ、桝崎アヤメだ。奈々が事前に今回の作戦の内通者の協力を得た。で、これが今回の作戦決行の場である○○社、1階の見取り図だ」


　オフィスの入り口には回転ドアが3つ並んでいる。


　入ってすぐ右側に受付嬢のいるフロントが、左側の広いスペースがロビーになっている。


　ロビーのスペースはソファや観葉植物が並び、カフェのようになっている。


　フロントの真向かいの壁には大きなスクリーンが設置してあり、社内案内のDVDが繰り返し上映されている。


　入り口から入って奥がオフィスへと続くエレベーターホールになっている。


　「警備員は回転ドアの前に1人、それにビルの入り口の横、地下駐車場に続く坂を下っていくと、荷物運搬用の受付と警備室が一緒になっている部屋がある。そこに常時、2人の警備員がいるらしい」


　紅虎が淡々と説明する。


　まるで自分で実際に行って、確認してきたかのような口ぶりだった。


　「決行日の明日は午後から海外の関連会社からお偉いさんが来るらしい。重役がお出迎えするらしいから、人の多いその時間を敢えて狙って作戦を決行する」


　「リベンジって会社に乗り込むつもり？大丈夫なの？捕まったりしない？」


　サンゴちゃんが心配そうに訊ねる。