Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「だっさ、ありえない」


 助手席の奈々が冷たくあしらう。


 奈々は窓を開け、流れる景色を見ながら目を細めている。


 「今のうち配っとくか」


 後部座席の真ん中に座る紅虎が足元に置いたド○キのビニール袋からそれぞれのルームカラーのニット帽を取り出して配った。


 げっ!?


 これってこの間のレスラーのマスクみたいなやつ。


 「これ被れっていうの?」


 「正体バレるよりいいだろ?」


 「え~」




 奈々の会社は観光スポットにもなっている都市部のオフィス街にあった。


 海岸の傍で会社から歩いて近い所に海浜公園もある。


 オフィス街の中でもひときわ目を引く高いビルが奈々が勤めていた会社だ。


 何の会社か奈々の説明を聞いてもいまいちピンと来なかったけれど、サンゴちゃんが言うように大企業っていうだけのことはある。


 オフィス近くの公園内のパーキングに車を止め、サンゴちゃんとロミはここで待機。


 サンゴちゃんを除くあたしたち4人は、ビルへと向かった。


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