Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 モニターがたくさん並ぶ警備室に入ると、足元には目隠しされ、ロープでぐるぐる巻きにされた警備員が2人転がっていた。


 きゃっと思わず声を上げると、大丈夫寝てるだけだからと笑顔で鳩羽さんが答える。


 「下剤を飲ませるだけじゃなかったんですか?」


 お兄ちゃんが眠った警備員を端に引きずりながら訪ねた。


 「この方が安心して作業が出来る。俺、こういう映画みたいなことするのちょっと憧れてたんだよね。普段、警備員のおっさんたちを仲良くしてて良かったよ。差し入れのコーヒーも何の躊躇もなく口つけてくれたもんな」


 鳩羽さんはそう言うとモニターの前に座り、手袋をすると、画面を操作し始めた。


 「こことここのボタンで防犯カメラの停止が出来る。防犯カメラの映像は自動的に録画されるから、ここを操作して、流すだけにしておく」


 鳩羽さんは慣れた手つきであっという間に設定してしまった。


 お兄ちゃんが横で「占拠完了!」と連絡をいれた。


 連絡が終わると、警備員を装うため、警備員の帽子を拝借し、受付の席に腰を降ろす。


 「1階に設置されている防犯カメラは全部で6つ。回転ドアの所に2つ、受付の後ろ、それにロビーに2カ所。エレベーターホールに1つ。受付とロビーを覗いて、停止させた」


 「全部停止しないんですか?」


 「せっかく、面白いことが始まるのに見物しないの?檜山くんから通信用の小型マイクを預かってるから音声もばっちりだぜ?」


 悪戯っぽく笑うと鳩羽さんはぐっと伸びをした。


 ・・・この人が紅虎と気が合うの解る気がする。



 
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