Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 お兄ちゃんの連絡を受け、赤と紫のマスクを被ったスーツ姿の2人がモニターに映りこんできた。


 回転ドアの近くにいる警備員に催涙スプレーを浴びせ、中に乗り込む。


 ロビーにいる社員たちは突然の来訪者にざわついている。


 紫マスクの奈々は「パン」と空砲を天井目掛けて撃った。


 紅虎が拳銃マニアから買って来たレプリカのエアーガンだ。


 奈々の隣に立つ紅虎が拡声器を片手に話し出した。


 「今のは威嚇だ。変に騒いだり、携帯電話といじったりすると今度は実弾をお見舞いすることになる。このフロアにいる奴、全員一列に並べ!」


 ヘリウムガスを吸って、可笑しな声になった紅虎の怒号がフロアに響く。


 重役も含めて社員がモニターの前に一列に並ばされている。


 奈々がそれぞれの携帯電話を袋の中に回収している。


 「用件は何だ?何故こんなことをする」


 年配の社員が反抗した。


 「俺たちはただDVDの上映会をしたいだけですよ。10分位時間くれたっていいじゃねぇか。どうせお前なんかディスクに座ってるだけで仕事なんかしてないんだろ?」


 紅虎に好き勝手言われて年配の社員はぐっと唇を噛み締めた。


 誰なんだ貴様はとぶつぶつ文句を言っている。


 紅虎はモニターを背にして、列になる社員を振り返って、

 
 「え~、今からみなさんには映像を見て頂きます。午後のひと時、眠気覚ましだと思ってください。モニターに注目!!」


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