Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
拡声器を片手に説明すると、社員たちは再びざわつき出した。
紅虎の言葉に反応した鳩羽さんがあたしの隣でDVDの再生ボタンを押した。
社内案内の映像がぶつりと切れ、画面が急に変わった。
薄暗いバーの店内みたいだ。
隠し撮りの映像なのか画像があまり良くない。
奥まったテーブル席に男女が向かい合って座っている。
男はカメラに背を向けていて、明るい髪の色をした頭しか確認出来なかった。
画面から見て顔が確認出来る位置に座っている女には見覚えがあった。
グラスを傾け、笑みを浮かべている。
桝崎アヤメだった。
「アヤメさんって結構、見かけによらず大胆なんだね。もうすぐ結婚するのに俺みたいなのと遊んでるし」
「そんなことないよ~。私って何でも自分のやりたいようにやる主義なの。そういう星の下に生まれたんだもの。利用しない手はないでしょ?」
「アヤメさんのせいで泣いてる人、結構いるかもね」
「そうかもね・・・ね、聞いて。この間の事だけどね、社内に美人を鼻にかけてる高飛車な女がいたの~。プライド高くて、女子社員に嫌われてて。その子、営業部のホープとこっそり社内恋愛してたの。隠してるつもりなんだけど、バレバレなの。で、男の方に昇進ちらつかせて、結婚前提に付き合わないかって切り出したら、ころっと寝返ってきたの~」
「へぇ、そういう奴、本当にいるんだ?」