Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「下手したら自分のクビがかかってたかもしれないのに、何であたしたちに協力してくれたんですか?」
「奈々のことが入社した時から好きだからだよ。それに俺はバカじゃないからクビになるような失敗は絶対しない。この話、奈々には黙っていてくれよ」
最後はちょっと照れたように頭を掻いた鳩羽さんに深々と頭を下げて、地下駐車場を全力疾走した。
サンゴちゃんの運転するオンボロバンに乗り込んで、紅虎と奈々が来るのを待った。
「では皆さん、午後の仕事も頑張ってください!さよ~なら~」
声高らかに言い切ると奈々が袋に回収した携帯電話を床に全てばら撒いた。
それを合図に2人が全力疾走でバンに駆け込んで来た。
「サンゴ、早く出せ!」
ヘリウムが抜け切れてない変な声で紅虎が指示する。
サンゴちゃんは勢いよくアクセルを踏んだ。
大通りに出ると黒塗りのベ○ツとすれ違った。
後ろを振り返るとあたしたちがさっき出てきたビルの方へと曲がって行った。
「さっきの車、海外からのお偉いさんかも・・・」
「お~、間一髪だね」
「Well done!」
車内にようやく笑い声が広がった。