Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 開いた窓から思わず上半身を乗り出してしまった。


 「彼だけど、バラ園のベンチで休憩してるよ。丁度、真ん中、紫のバラが咲いてる辺りだよ」


 金次くんが報告をすると、紅虎が奈々の肩を叩いた。


 「1人で大丈夫か?」


 奈々は紅虎の手を握って、


 「うん、行って来る」


 と深呼吸とし、助手席のドアを開けた。


 風を切るようにぐんぐん遠ざかっていく奈々の背中が見える。


 奈々と入れ替わりに金次くんが助手席に乗り込んだ。


 「何で金次くんがここにいるの?」


 金次くんは後ろを振り返り、花っぽまさか気付いてないの?とにやにや笑ってくる。


 「もしかして・・・ホストのスバルくん?」


 お兄ちゃんがぼそりと答える。


 「え~!?あれって金次くんだったの?じゃあ、ホスト役の仕事ってこの事だったの?」


 どおりで聞いたことのある声だと思った。


 「虎っぽがさ、いきなりCHOCOTTOに来た時にはびっくりしたよ。ホスト役やってみないかって言われて、楽しそうだったし、バイト代弾むって言うから速攻でOKしたよ。結構、凝ってて、本気で体験入店させられたよ。面白かったけど」


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