Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 お兄ちゃんは実家に帰省、サンゴちゃんは彼氏と温泉、紅虎は短期のバイト、それぞれ部屋を空けていて、残ったのは奈々とあたしだけだった。



 「でも、気持ちは楽になったわ。アヤメが必死で泣き叫ぶ姿見てたら、ざまーみろって気分になったし。スカッとしたな」


 亀戸の駅を降りると、まずは神社へ行こうと奈々が提案した。


 どうやら、藤祭りが開催されているらしい。


 葡萄みたいな房に淡い紫色の小さな花がたくさんついているのが藤の花。


 舞妓さんの簪になってる可憐な花だ。


 東京に出てきてから、観光地みたいな所は行ってなかったので、ちょっぴり嬉しかった。(ディ○ニーラ○ドは千葉だし)


 藤祭りは有名らしく、駅から人が連なって歩いているので、あたしたちは流れに乗って前に進んだ。


 「奈々はこれからどうするの?」


 「虎ちゃんがガールズバー紹介してくれるって。コスプレするけど、変な店じゃないって保証付きだからって。とりあえずバイトしてお金貯めて、ネイルの学校でも行こうかなって考えてる」


 「やりたいことがあるんだね」


 「前から本格的に習いたいって思ってたんだよね」


 奈々はやりたい事見つかってるんだ。


 羨ましいな。


 「それより、今回は本当、虎ちゃんにホレた~。奈々の彼氏だからとか言われて、すっごいビビって来ちゃった。本気で虎ちゃん狙ってみようかな?」


 「え?何でいきなりそうなるの?紫村さんに未練はないの?」


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