Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「だって、蓋を開けたらストーカーみたいだったし・・・」


 「そんな安易に決めちゃダメ!」


 って何を否定しているんだ、あたしは・・・


 「何の権限があって、花が否定するわけ?もしかして、あんた・・・!?」


 「な、奈々の携帯鳴ってる!」


 奈々は訝しげな視線を送りながら、ジャケットの携帯を取り出した。


 「今?花と亀戸にいるよ。そう、この間の子。藤を見て、帰りにギョーザ食べるの」


 電話の相手は鳩羽さんらしい。


 え?本当に今から?と奈々は驚いた表情をした。


 ちょっと待ってと携帯を離しながら、


 「鳩羽くんがヒマだから、合流してもいいか?って」


 もちろんとすぐ返事をした。




 神社を背に咲き乱れる藤の花は見事だった。


 すっきりと晴れた渡った空の青に淡い紫色の溢れそうなくらいに咲く藤の花。


 朱塗りの柵から眺めると風情がある。


 こんな街の中にも自然が感じられる場所があるのが不思議だ。


 「幸せになれますように」と取り留めの無い願いを掛けて、お参りをすると一息ついた。

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