Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
握った手に握力がかかり、痛さにひっと声が出た。
「サンゴちゃん」と言い直すと「よろぴく~」とまた笑顔になった。
「いっけな~い、アイスクリーム買ってたんだった。早く冷凍庫に入れなきゃ~~」
スニーカーを「Room2」の靴箱に仕舞い、ピンクのキ○ィちゃんのついた健康サンダルに履き替えると、足元に置いてあったビニール袋を持ち、お尻をぷりぷりさせながら、キッチンへ向かって行った。
「サンゴちゃん・・・いきなり、個性的な人の登場だね」
紅虎と比べるとホリが深いし、鼻高いし、顎割れてるし、彫刻みたいな人がいきなりオネエ言葉で話し始めたからびっくりした。
「サンゴちゃんはイタリア系クォーターなんだ。日本語しか喋れないけど」
「葵ちゃ~ん、お茶淹れるぅ~?」
キッチンからサンゴちゃんが呼ぶ声が聞こえ、お兄ちゃんが飲む~と答える。
「行こうか」とお兄ちゃんに誘われ、あたしもリビングへ向かった。