Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「あんたはまた、すぐ顔で選ぶ~。そんなんじゃ、男なんて出来ないわよ」
「うるさい。彼氏いるからって上から目線辞めてくれる?もやしみたいな白くて細長い顔の彼のくせに」
「奈々、怒るわよ!」
サンゴちゃんがきっと睨むと、奈々は行ってきますと早々と去って行った。
「いってらっしゃい、気をつけなさいよ~」
サンゴちゃんは奈々の後ろ姿に声を掛けた。
本当、口の減らない女だわ~と呆れ気味で付け足す。
「どうしたの、花?ニヤニヤして」
「いや、いいなって思って。口喧嘩してても、行ってきますとかいってらっしゃいとか言える関係って」
「そうね。お互いのことを深く知るようになって、ますます絆が深まった感じ?家族みたいね」
その日は朝から雨が降っていた。
日が暮れてから雨が勢いを増し、嵐が来たかと思う程、風が強く吹きつけ、激しい雨音が家の中にいても聞えてくる。
今日はお店もヒマだった。
家に帰って来ると、こんなに雨が降っているのに、これから友達の家に泊まりに行くというお兄ちゃんを見送り、バイトに行く奈々を送りがてら、店の方面に用事があるという紅虎が車で出かけて行った。
「最近、桃井くんの家に泊まりに行く日数、減ったね」