Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「解った。いつものメーカーでいい?」


 「お願い。あ、お金・・・」


 「今日は俺のおごりでいいよ」


 「葵ちゃん、いい男~」


 サンゴちゃんの投げキッスを避けながら、お兄ちゃんはお酒を買いに、サンゴちゃんのパールピンクのママチャリに跨り、商店街へと走って行った。


 残ったあたしはサンゴちゃんの料理の手伝いだ。


 おろしたてのワンピースが汚れないように、サンゴちゃんの割烹着みたいなエプロンを借りて、BBQの準備を始めた。


 「タンドリーチキンを作るわよ!」


 張り切るサンゴちゃんの手際は素晴らしい。


 さすがレストランの厨房で働いていただけのことはある。


 目分量でハーブやスパイスを入れていく。


 あたしがやったことと言ったら野菜を切ることぐらいだ。


 しかも、「ちょっと、全然均等じゃないじゃない!あなた料理したことないの?」とサンゴちゃんのダメ出し付きで。


 下ごしらえが済んだところで、トイレに行こうとリビングのドアを開けたら、丁度入って来ようとした紅虎と鉢合わせした。


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