Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「相変わらず絵を描いてるよ。今までと変わらないかな。旅には暫らく出ないよ。夏休みになったら旅行には行くかもしれないけれど、暫らくここにいたい理由が出来たんだ」
そっかと相槌を打つとそうなんだと微笑んだ。
骨のオモチャに夢中になっているロミを見ながら、真っ青な空を仰いだ。
「そっか、俺が忙しくしている間にそんなことがあったんだ」
「紅虎はね、亮太くんが高慢な態度だったから、殴るつもりだったらしいの。本当、そうならなくて良かった」
あははと声を上げてお兄ちゃんは笑った。
バイトから家に帰って来る途中、公園にロミの散歩に来ていたお兄ちゃんを見かけ声を掛けた。
サンゴちゃんに買い物を頼まれたらしい。
お兄ちゃんとゆっくり話すのも久しぶりだったから、あたしもお兄ちゃんと並んで、近所のスーパーまでの道のりを歩いた。
今日のロミはてんとう虫の着ぐるみ姿だ。
「亮太くんのの坊主謝罪騒動は知ってるでしょ?紅虎はクールだって笑ってた」
草さんの描いた絵を巡って起こった今回の騒動を一通り話し、振り返るとお兄ちゃんが後ろの方で立ち尽くしていた。
「どうしたの?」
不思議に思って駆け寄ると、お兄ちゃんは急に真面目な顔になった。
「もしかして、花、虎に気がある?」