Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 サンゴちゃんも思い当たる節があるらしく、それもそうねぇと頷いていた。


 「良かったね、奈々。鳩羽さんだったら奈々のこと幸せにしてくれるよ」


 「ありがと」


 はにかみながらお礼を言う奈々はとても可愛らしかった。




 「虎は初恋を引きずっている。10年以上もずっとだ。虎が彼女以外の誰かに振り向くことは親友の俺が見てる限りはない」


 お兄ちゃんに言われた事があれからずっと引っかかっている。


 紅虎の初恋の彼女がどんな人なのかは結局、聞けなかった。


 察しのいいお兄ちゃんに本当の気持ちを知られなくなかった。


 10年以上っていうことはオーストラリアにいる人なのかな。


 ということ遠距離。


 そもそも、紅虎は今はフリーだって前、お兄ちゃんが言ってたから、片思いって事になる?


 あ~、混乱してきた。


 サンゴちゃんも奈々も彼氏が出来て、幸せいっぱいって時に、「紅虎が好き」って意識した途端、その思いは届かないと知らされてしまった。


 この気持ちをどこに持って行ったらいいのか解らない。


 「花、準備出来た?」


 部屋からお兄ちゃんの声が聞こえ、うんと返事をした。


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