Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
お兄ちゃんに訊きたい気持ちは山々なんだけど。
「別に、紅虎が誰を好きかって事を知りたいわけではなくて・・・草さんは好きな人いますか?」
言い訳しようとしたら逆に不自然になってしまった。
慌てて話を逸らすと、草さんは不意を突かれたように固まっていた。
箸を握ったまま、鼻がひくひくと動いている。
「その様子だと、いるんですね?」
「・・・気持ちに気付いたのは割りと最近なんだけど・・・」
ぽつりと白状した。
「へぇ~、同じ大学の人?」
「まぁ、そんな所・・・」
にやにやしながら顔を真っ赤にして照れる草さんを見ていた。
最近、カジュアルだけどセンスのいい服を着るようになったし、髪型も作ったりしてるから気になってはいたんだけど、やっぱりそうだったのかと納得する。
「どんな人なんですか?今度・・・」
「はい、花ちゃん。ハラミ焼けたよ!」
ハラミを次々皿の上に乗せられて、この話はここまでと念を押されてしまった。
草さんも奈々と一緒で秘密主義らしい。
ちょっぴり寂しい気持ちで肉にかぶりついた。