Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 お兄ちゃんはビールの缶をテーブルに戻すとあたしを見て微笑んだ。


 「ここには俺みたいな学生もいれば社会人もいるんだし、生活のリズムが違うのは仕方ないんだ。一緒に住むって花は家族みたいに考えてるかもしれないけど、それぞれに自分の生活があるんだ。初めは戸惑うかもしれないけれど、その内慣れるよ」


 みんないい人たちだからとお兄ちゃんは続ける。


 サンゴちゃんがデザート皿に取り分けたティラミスと温かい紅茶を運んで来てくれて、3人で食べた。


 サンゴちゃんの料理はデザートまで完璧だ。


 映画を見ようか?とお兄ちゃんが提案し、片付けをした後で、リビングでお兄ちゃんが借りてきたDVDを見た。


 ベッドに入ったのは午前0時を過ぎてからだったけれど、紅虎も「Room3」の住人もまだ帰って来ていない。


 (それぞれの生活がある・・・その内慣れるよ・・・)


 家族じゃない他人との共同生活(お兄ちゃんは除くけど)。


 これからあたし、どうしようか?


 とりあえず、バイト探さないとな。引越し資金と1ヶ月分の家賃、お兄ちゃんに借りたもんな。


 アイボリーのふわふわの掛け布団に包まっていたら、眠気がすぐに襲ってきた。


 色々あって今日は少し疲れちゃったみたい。


 うとうとしていたら、遠くの方で車のエンジン音が聞えた気がした。


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