Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 短い間とはいえ、お兄ちゃんがいなくなるのは寂しい。


 「葵からの話が終わった所で・・・乾杯するか!はい、Cheers!!」


 紅虎が立ち上がり、缶を掲げた。




 夜半を過ぎて雨雲が去ったらしい。


 外に出ると湿気を含んだ空気が鼻につく。


 時間は夜の12時過ぎ。


 紅虎が裏庭でタバコを吸っていた。


 キッチンの小窓から紅虎の後ろ姿を見つけて、あたしも裏庭に出た。


 あれから、飲み会は10時過ぎで解散となった。


 サンゴちゃんは桃井くんの家にお泊りに行き、鳩羽さんは酔い潰れた奈々を寝かせて、金次くんと駅に向かって帰って行った。


 お兄ちゃんと草さんも2階に上がり、あたしも部屋に戻ったのだけれど、シャワーを浴びて、リビングを覗き込んだら裏庭の電気が点いているのが見えたのだ。


 「紅虎、飲み足りないの?」


 後ろから声を掛けると、何だ花かと振り返った。


 テーブルの上にビールの缶が置いてあるのが見えた。


 窓際のベンチには犬用クッションが置かれ、ロミが寝息を立てていた。


 あたしは紅虎の隣に座った。


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