Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「駅前の路地を入った突き当たり。「ルビーの部屋」っていう店名だ」


 紅虎は少ない情報で、お兄ちゃんと何か関係のあるかもしれないホステスのいる店を突き止めてきた。


 どういう捜査網を持っているのか謎だ。


 ルビーの部屋、ルビー、ルビー・・・


 きょろきょろしながら路地裏に入ると、小さい店の立ち並ぶ区画に出た。


 どれも昔からそこにあるような風格がある。


 店はスナックや居酒屋がほとんどだ。


 思わず耳を塞ぎたくなるような、おじさんが歌う演歌が聞えてくるし。


 前を歩く紅虎はそんなの気することなくどんどん奥に入って行く。


 それにしても、久しぶりに紅虎が新調してくれたスーツを着て、気合いを入れたのに、失敗した。


 長袖のジャケットが暑い。


 紅虎は赤いTシャツに黒い細身のパンツで軽装なのに・・・1人だけ張り切ってるみたいで恥ずかしい。


 前を行く紅虎が突然立ち止まったので、そのまま背中に激突してしまった。


 「ぶっ!・・・ちょっと」


 「あった」


 「え?」


 路地裏のどん詰まりに年季の入ったビルが建っていた。

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