Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
コンクリートむき出しの壁に2階へと続く階段は錆びだらけだ。
1階は小料理屋の暖簾がかかっているものの、暗すぎて営業しているのか解らない。
2階へと続く階段の下に、「ルビーの部屋」と書かれた看板が赤く光っていた。
ぎしぎしと上る度に軋む階段と、触れる度にぱらぱらと鉄くずの落ちる手すりに、いきなり階段が外れるなんてことないよね?と不安が過ぎる。
紅虎がコンクリートの無機質な壁には不釣合いな重厚な木製の扉を開ける。
「いらっしゃい」
しゃがれた声のホステスに迎えられ店内に入った。
店内は薄暗く、入ってすぐの所にカラオケの機器とステージがあり、酔ったおじさんとホステスが肩を組んで熱唱している。
昭和歌謡?
天井にはくるくると回るミラーボール。
「珍しく、若いお客さんだね」
ホステスは胸元の開いた真っ赤なドレスを着て、ドレスと同じような真っ赤な口紅を塗っていた。
結構な年齢いってると思うけど・・・
スタイルもいいし、メイクもばっちりなので年齢不詳だ。
あたしたちを店の奥へと案内してくれた。
座り心地の悪いワインレッドのベロア生地のソファに、咽るくらいのタバコの匂い。