Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
年季の入ったアンティーク調のローテーブル。
紅虎は案内された席にどかりと座る。
「お兄さん、何にする?」
「ハイボール」
車で来てたじゃん!と心の中でツッコミを入れつつ、お嬢さんは何にするんだい?と聞かれ、オレンジジュースと答えた。
ホステスが店の奥へと入っていくと、店内を見渡した。
薄暗い照明の中でホステスといちゃつく中年男性に冷めた視線を送る。
これが昭和の香りっていうやつだろうか。
席に座るなり、タバコに火を点ける紅虎に耳打ちする。
「ここって熟女パブっていうとこ?」
「probably」
始めて経験するのがホストクラブやキャバクラを通り越して熟女パブとは・・・刺激が強すぎる。
お客さんもホステスもうちの親位の年代なんじゃないかと思う。
「まさかお兄ちゃん、ここに通ってたの?」
「それは今から訊く。前、葵がちらっとここの店名を言ってたのを思い出した。ネットで調べても近くに同じような名前の店が無かったからここだと思ったんだけど」
間違ったか?と紅虎は煙を吐いて、眉を顰めた。
暫らくするとホステスが消えた店の奥から年齢層の高い店には似つかない若い女性が現れた。