Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
あっちは紫だからアメジストちゃんとか?
ホステスの名前がドレスの色と一致してると見た。
考えてると楽しくなってきた。
サファイアちゃんは慣れた手つきでハイボールを作り、紅虎に差し出した。
紅虎が2本目のタバコを取り出すとさっとライターを取り出し火と点ける。
一連の動きがしなやかで大人の色気を感じる。
口許に笑みを浮かべ、涼しい顔をしているサファイアちゃんに軽く嫉妬を覚える。
「サファイアちゃんは何でここで働いているの?サファイアちゃんならもっと若い人ばっかりの店だったり、銀座とかでもいけるんじゃないの?」
ハイボールには手をつけず、タバコを吸うと紅虎はサファイアちゃんに訊ねる。
嫌だわ、お兄さんとサファイアちゃんははにかんだ。
確かに都心から少し離れたこの場所で、しかも塾女パブで働くにはもったいない気がする。
ルビーママには物凄く失礼だけど。
「ママには何にもとりえがない私を拾ってくださって感謝しているんです。本当によくしてもらって、恩返しのつもりで働いているんです」
へぇ、そうなんだと自分で聞いたくせにあまり興味のなさそうな返事をすると、紅虎はポケットから携帯を取り出した。
いよいよ本題に入るらしい。