Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「サファイア、下にお客さん来てるよ。かわいい顔した美男子よ。あなたに話があるんだってさ」
それってお兄ちゃん?
美空さんが戸惑っていると、お客さんを待たせるつもり?とルビーママは一喝した。
しぶしぶ階段を降りていく美空さんの後を追おうとした所で、
「深刻そうな顔してた。2人きりにしてあげよう」
とルビーママに言われ、そのままその場に留まった。
5分もしない内に、美空さんは店内に入ってきて、話は済みましたからとママに報告した。
そのまま店の奥に向かう美空さんを呼び止める。
「美空さんの気持ちはよく解りました。話をしてくれて、ありがとうございました」
お礼を言い、ソファの上に置いてあった、アジサイの花束を差し出した。
父の日のプレゼントを選びに行った日、この花束も予約してたのだ。
真っ青なアジサイの花束。
「美空さんは覚えていないかもしれないけれど、美空さんのお婆さんは鎌倉に住んでいるらしいですね。美空さんがアジサイの花が好きだから今度見に行こうって約束、お兄ちゃんは覚えてました。あたし、代わりに鎌倉に行って来たんです。すごくキレイでした。そのアジサイは持って来れなかったから、これは代わりだけど」
美空さんは黙ったまま花束を受け取った。
「サムシング・フォーと言って、花嫁は古い物、新しい物、借りた物、青い物を身につけると幸せになるんですって。あたしからは青い物を贈ります」