Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 日曜日。


 いつもはしんとしている朝なのに、今日は騒がしかった。


 バイトに行く準備を済ませ、リビングでお兄ちゃんとお茶をしてると、紅虎が階段を駆け下りて来た。


 「やっべぇ、寝過ごした!葵、花、着替えて来い。出掛けるから」


 急いでシャワーを浴びたのか髪が濡れている紅虎は黒地にダークグレーのストライプが入ったスーツを着ていた。


 中のシャツは赤。


 ってそれTeam紅虎(勝手に命名)のユニフォームじゃないか!


 「出掛けるって何言ってるの?あたしこれからバイトなんだけど・・・」


 いいから着替えて来いと言われて、お兄ちゃんとあたしはわけも解らず顔を見合わせた。


 とりあえず逆らわない方がよさそう?と判断したあたしたちはそれぞれの部屋に駆け込んだ。


 着替えが終わると、すでに紅虎は車のエンジンをかけていて、「乗れ!」と叫んだ。


 まだ寝ていたサンゴちゃんが、何事なのよとテラス側にある部屋の窓から覗いていた。


 紅虎に言われるまま、車に乗り込むと、紅虎はアクセルと踏んで、車を飛ばした。


 「一体、どこに行くんだよ。そんなに急いで」


 シートベルトをしながらお兄ちゃんが運転席の紅虎に訊ねる。


 「ねぇ、あたしバイト行かないといけないんだけど・・・」


 「今日は休むって俺から連絡しといた」


 「え!?勝手に?何で?」


 「これから、サファイアちゃんの結婚式に行く」


 「えぇ!?」

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