Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 海に向かって白いチャペルが建ち、チャペルの周りを囲むように、ガラス貼りの建物がコの字型に建っている。


 結婚式場?


 通りを挟んで反対側は、同じ系列のホテルになっているみたいだ。


 紅虎はホテルの駐車場に車を止めた。


 車に乗っている間、お兄ちゃんは黙ったままだし、あたしは解らない事が多すぎて混乱していたし、紅虎も運転に集中してた。


 気まずい雰囲気が車内にずっと流れていた。


 ゴーンゴーンとチャペルの鐘が鳴った。


 紅虎が時間を確認して、やっと口を開いた。


 「今、式の最中だ。そろそろチャペルから出てくるんじゃねぇか?葵、最後に彼女のウェディングドレス姿を見たらどう?」


 「やめてくれ、そんな気分じゃない」


 「遠くから見るだけだ。別に乱入しようとしてるわけじゃない。招待すらされてねぇし」


 紅虎は運転席から降りると軽く伸びをし、後部座席のお兄ちゃんを引きずり下ろした。


 嫌がるお兄ちゃんの手を引き、道路を渡る。


 あたしも2人の後をついていった。


 チャペルの近くに建つモニュメントの後ろに隠れ、紅虎は顔を出し、チャペルの扉が開くのを今かと待っていた。


 歓声が上がったと思ったら、参列客が先に出てきた。


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