Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「お父さん、あたしの事心配してるの?」


 「そうよ。お父さん古いタイプの人だから、自分が言った事、間違ってたって訂正出来ないけど、花の進路を勝手に決めてきた事を悪いと思ってるのよ。花が爆発しなかったら解らなかっただろうから、お互い勉強になったわね」


 「お父さん、本当に悪いって思ってる?」


 「口にはしないけどね。面倒臭い人なのよ。でも、20年以上連れ添ったお母さんには解るの。絶対よ」


 「・・・お母さん、ごめんね」


 勝手に家を出て、迷惑をかけて。


 専業主婦のお母さんみたいになりたくないなんて言って。


 「あと、ありがとう」


 親元を離れて気付いた事、お母さんはいつも家族のために一生懸命だった。


 ご飯を食べたり、部屋がキレイだったり、いい匂いのする洗濯物も、テスト前の夜更けに淹れてくれるミルクティーも当たり前だと思ってた。


 そんな自分が恥ずかしい。


 まだ自分が将来何になりたいか模索中だけど、あなたの娘は日々、大人への階段を上っております。


 「何よ~、急に改まって~。そうだ、あのね、子供たちがいなくなって家が広すぎるってね、わんこを飼い出しだのよ。ブルースターっていうの。ミニチュアダックスフンドの毛の長い奴。色は黒」


 「ブルースター?変な名前」


 ぷっと吹き出す。


< 304 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop