Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
サンゴちゃん、何ていい人なの!
涙が出そうになる。
グラスを持って部屋を出ると廊下で奈々と話している声が聞こえた。
紅虎がピザの箱を持って自分の部屋に引き上げようとしたので、
「あの・・・契約書みたいなのがあるってお兄ちゃんが言ってたんですけど・・・」
紅虎から後で受け取ってと言われていたことを訊いてみた。
「あぁ、一応。今、渡す?部屋にあるから来いよ」
「はい」
紅虎の後について階段を上っていく。
部屋の鍵を開けると、入れよと促される。
どこもかしこも真っ赤な部屋に落ち着かない。
紅虎はパソコンが置いてある机の引き出しから紙を取り出した。
「1ヶ月分の家賃とデポジットとして3万円。これは葵から受け取ってるから。ここに俺のサインがしてある。ここにお前のサインをしてくれ」
紙と一緒に白い小さなノートが渡され、1ページ目に家賃とデポジットのお金を受け取ったという紅虎のサインがしてあった。
確認のため自分のサインをそこに書き込む。