Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「Hana」
後ろから紅虎の声が聞こえ、振り向いた瞬間、目の前に花束が突き出された。
「Happy birthday.」
いたずらっ子のような笑みを浮かべて、紅虎がそこに立っていた。
約束したの覚えててくれたんだ。
「びっくりさせようと思って車のトランクに隠してた」
「ありがとう。だけど、赤いバラじゃないんだね」
「お前、白が好きなんだろ?」
誕生日に何が欲しいって言われて、歳の数だけのバラって答えた。
てっきり赤いバラだと思った花束は白いバラだった。
「あれ、20本なくない?1、2、3・・・12本しかない」
「dozen roses お前、知らないの?・・・ま、いいや」
「ダズン?何それ?」
訊ねても紅虎は教えてくれなかった。
突然、飛行機のジェット音が聞えて、突風が吹いた。
風になびく髪を押さえ、バラの花束を受け取る。
その瞬間、紅虎の顔が近づいてきた。
片手であたしの顎を上げ、キスをした。