Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「兄妹喧嘩は終わったのか?」


 挨拶をするべきか悩んでいたところで先に紅虎が話しかけてきた。


 ロミが紅虎に尻尾を振って近寄る。


 「うん、おかげ様で」


 そうと紅虎は小さく返した。


 もしかして、心配してくれてた?


 いやいや、紅虎に限ってそんなはずはない。


 足元でじゃれるロミの頭を撫でながら、カフェオレを飲む横顔に心の中でツッコミを入れる。


 「ねぇ、あの花、何ていうの?」


 話題を変えたくて、テラスの前に広がる垣根を指差した。


 小さな白い花が手まり状に固まって咲いている爽やかな香りの花がついている。


 「Daphne」


 「ダ?和名は?」


 「何だっけ?忘れたな。毎年、今くらいの時期になると一気に芳香する」


 何だっけなと紅虎は暫らく考えていたけど、答えが浮かばなかったらしく諦めたらしい。


 もう、いいや、面倒くさいと伸びをした。


 「出掛けるのか?」


 「うん、ロミの散歩がてら。あ、ロミお借りします」


 「そこら辺の水飲ませるなよ。ロミは基本、エビ○ン派だから」


 
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