嘘、鬼よ。
うわっ、美形…
最初に思ったのはこれ。
「あなた、ちょっと来てください。」
にこにこしながら私に話し掛けるこの人に次に思ったのは、
ウザい、だった。
「なんで」
出来るだけ手短に単語を選んで、発した言葉がこれ。
すると、青年の後からやってきた青年の仲間とおぼしき人物数人が、さっき倒したそこでのびてる男の身柄を拘束する。
なるほど、さっきの男はこいつらに追われていたわけか。
それで、私とぶつかったと…。
………、なんで逃げなかったんだろ。
バカみたい。
すると、鈍い衝撃が走った。
先程の青年が私の腕をつかんだままあるきだしたようだ。
おいおいおい。
いい迷惑だぞ?
だが、力強く握られてるため、振り払うこともできず、叫ぶ気にもならなかったのでされるがままに引きずられていった。