嘘、鬼よ。














――
―――



「…本当にいいのか?」

今更だな…


「あぁ」




「僕はここに残ると思ったんだけどな」

残る…か



「私もそのつもりでいたさ。」



「ならなんで?」



なんで…?


「そう決めたんだ…」



「あっそ、まぁいいや。
じゃあ記憶を消してもいいかい?」



「嫌だ。」



「……は?」



「嫌だ。」



「…2011年には戻るけど記憶は消すな……と?」




「あぁ。
忘れたくない。誰にも言ったりなんかしない。
頼む。」



忘れたくない…。



あの温もりを。

あの優しさを。

あの愛しさを。



「無理だね。
そしたら、君の戻った世界はパラレルワールドとなる。
出来るだけパラレルワールドは作りたくない。」



「頼む。
……お願いします…。」







「………………そう。
わかった。しょうがない…」


「ありがとう…」



「…じゃあ行くよ。後悔しないでね」




「するに決まってんだろ」
















…おわり…
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