嘘、鬼よ。
【4】
「……っ」
珍しいな、今日は目覚めが良さげだ。
…見覚えのない天井。
暖かい布団。
…布団。
………布団!?!?
布団だって!?
なんで、私は布団に寝かされているんだ…?
ここも拷問部屋ではないし。
確か、女が………
「あれ?目ぇ覚め張った?」
「………?」
「あぁ、うちはお梅。仲良くしたってください。」
綺麗な人。
「私は、西園寺三冷。
お梅がここに寝かせてくれたようだな。
礼を言う、ありがとう。」
「あたりまえやん、女子は愛でるもんや」
素敵だ。
この人が、かの芹沢鴨と死を共にしたと言われる、美女。
うん、想像通りの人だ。
「待っててくださいね。
今他の人呼んできますさかい」
そういって、パタパタとさってくお梅。
甲斐甲斐しいなぁ。