嘘、鬼よ。
……、入ってもいいかな…。
「まってくれ、近藤さん!!
ここは女人禁制だ!!」
確かに。私は女だ。
無理に決まっている…
「ん?だからどうしたんだい?
とし??」
「ど、どうしたって!
女人禁制だから女は!!」
「誰が女だというんだい、とし。
ここにいるのは、未来から来た不思議な美少年だろ?」
……こ…、この人は………
「男装をしろと?」
言っているのか。
「男装もなにも、君は男の子だ。
なにも気にせず、入隊すればいい。
それとも、これはありがた迷惑かい…?」
「いいえっ!!!」
勢いで答えてしまう。
不適に笑う近藤。
…いや、近藤さん。
この人は、やはり後の新撰組の長の器だ。
すごい。
私が答えてからは、もうだれも反論しないどころか、少し笑っている。
もう、私は男ということになっているのだろう。
「じゃあ、三冷くん。
君の傷が治り次第入隊試験だ。
それまでゆっくり休みなさい。
この部屋は、今日から君の自室にしてくれて構わないよ。」
涙が溢れそうになった。
私は、いつからこんなに涙腺が弱かっただろうか。
「はいっ!ありがとうございます!!
近藤さん!よろしくお願いします」
私がそういうと、近藤さんは満足したように、幹部ご一行を置いて、一人で部屋を立ち去っていった。
私たちは、少しの余韻にひたっていた。