嘘、鬼よ。












とりあえず、着替えたほうが良いのだろうか…?



背中に背負われたパンパンのスクールバッグ。

もし私の記憶が途切れてた時から荷物の中身が入れ替わってないとしたら、そのなかには、この問題を解決できる物が入っているはず。





そう、袴。


私は、剣道部副部長西園寺三冷。



通常なら持ち帰らないはずだった袴を今日は珍しく自宅で洗濯でもしようかとスクールバッグに突っ込んできた。


昔から悪運は強いと思っていたが、今回はこの運に助けられた。





路地に入り、バッグのなかの袴を確認しながらそんなことを思う。


もしかしたら、ここは映画のセットなのかもしれない。

大丈夫。



なんていう淡い期待を持ちながら袴を着ていく。




この際、路地だし誰も見てないから仕方がない。

外なんてことは気にせず脱ぐ。









< 4 / 141 >

この作品をシェア

pagetop