嘘、鬼よ。
【6】
















…ここでの生活も、もう慣れたな。

人間とは恐ろしいものだ。




慣れるということが怖い…。







こちらの時代に来てから何だかんだいろんなことがあって深く考え込まなかったが、そもそもどうして私は、この時代にきてしまったんだろう。



時たま、本当はこれは夢で目が覚めたら、また大好きな友人がいて、普通の生活を送っているんじゃないかと思うことがある。



でもなぜか、帰りたいのか?、と今問われても、素直に答えを出すことができない。





私は、もしかして、
帰りたくないのか…?

現代に。




いや、私は……―――






「あっれ、三冷じゃん。
どしたの?」




「藤堂か」



練習帰りなのか、少し疲れているようにもみえる藤堂が私と並んで縁側に座る。






「平助で良いってば」



「あぁ、うん。」






「なに、悩み事?」



こいつも、鋭いやつだ。

童顔なのに、しっかりているところはきちんと出来てる。




「まぁ、そんなたころだ。」










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