嘘、鬼よ。
「皆に重大な知らせがある。」
…いよいよか。
あれから数日たった。
今だに巡察にはいかせてもらえないものの、最近は暇と思うことがなくなった。
時間があれば、私がなぜこの時代にいるのか、なぜ連れてこられたのか、なぜそのまま放置されているのか、を常に考えていたため、暇と感じなくなったのだ。
そして、今日個室に組長クラスの幹部が集められている。
勿論芹沢もいた。
…と、いうことはだいたい冊子がつく。
拝命だろう。
今日その知らせということは、芹沢も長くはないということ。
というか、もう暗殺の計画がたっててもおかしくはない…
「……お………!…い…」
「おい!!
三冷きいてんのかよっ!」
「え、あぁすまない。」
しまった、聞いていなかった…。
「なんだよ、ぼーっとして。
まぁ三冷はいつものことだけどよ。」
「原田の癖に私を知ったようなことを言うな。」
「え、ひど…!!
………って、今はそれどころじゃねーっての!!
お前ちゃんと話聞いてたか?」
聞いてない。
「聞いていた。」
「そうか!!
直々にだもんなすげーよなっ!!
新撰組とか半端じゃなく格好いいしよー!」
やっぱりか。
話はきいてなかったけど。
やはり拝命の話だったらしい。
これからこの世がどう動いていくか…
私は、知っている。
だがそれはあくまで歴史であり、事実とは限らない…
私がこの時代に来たじてんで、きっと何かが歪んでいるはず。
歴史通りに進むか…
それは、私にも…わかることではなかった。