嘘、鬼よ。


















汗を染み込んでいた袴は、異臭こそしなかったものの、湿っててすこし重たい。



着ていたセーラー服をスクールバッグのなかに押し込むと、大通りに戻った。







うん。

大丈夫。

誰も怪しんでない。




さて、その辺の人にでも訪ねようか。そう思ったとき。



すごい衝撃が顔面を走った!


上下がわからなくなる…。





痛い。

ぐわんぐわんと揺れる脳をなんとかおちつかせ、状況を確認すると、どうやら目の前に立っているこの男と正面からぶつかってしまったようだ。



しかもこの男、めちゃくちゃ不機嫌そう…



もしかして、もしかしなくとも、


ヤバイ…?







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