嘘、鬼よ。
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今日だな…
無意識にそちらに考えを持ってかれてしまう私はどうにかしているのかもしれない。
どうあがいても、きっと今日彼は死ぬし。
どうあがいても、きっと今日私はなにも出来ない。
自分無力さに呆れる。
歴史は歴史通りに進んでくんだ。
きっと私がこの時代にこれたのは、歴史を歴史通りに進められるからだ。
こうやって、死んで欲しくないなんて思ってしまっていても歴史を変えることなんて小心者の私には出来ない。
だから連れてこられたまま放置されているのかもしれない。
私は歴史をこの手で変えるのが怖いんだ。
本気で芹沢を助けようと思ったら、私の実力なら余裕だ。
でもそれが出来ないのが私。
歴史を変える勇気がないのが私。
もしかしたら、正しく進めるがために手助けをしてしまうかもしれない…。
そんな存在なんだ…。
そんな自分が憎い…
結局私が一番守りたいのは自分だったってことなんだ。
今まで他人をバカにしてたけど、やっぱり自分も汚ない人間だった。