嘘、鬼よ。
こいつ、数日前まで私を避けて目が合うたびに睨まれていたが、もうスッカリ忘れているようだ。
ホント、バカなのか秀才なのか分からない。
「これ見てください!!
これこれ!」
沖田が嬉しそうに差し出したそれは、ノートのようにみえる少し古ぼけた書物。
実際は陽に焼けていたから古ぼけて見えるだけで、そこまで古いものでも無さそうだ…。
「……豊玉発句集…?」
………あぁ、これが。
かの有名な、あれね。
「これがなにかわかります?
黙読してくださいっ!全部!!」
パラパラとめくり、ざっと目を通す。
………………っぷ…
「クックックック…………」
なにこれ、面白くなさすぎて面白い。
下手すぎ、シュール…!!
「笑いすぎですよ、三冷さん!
これ、誰が書いたかわかります!?」
笑いすぎなどといいつつ、沖田もケラケラとこらえることもせず笑っている。
「……ひ…プッ…
…ひじ…かた、クックッ…だろ?
プッはっはっはっはっ」
「あれ?知ってたんですか??
なんだ残念です…」
いや、こんなにバカみたいな内容だと思っても無かったけどさ
あー、腹いたい
腹筋割れるわ