嘘、鬼よ。













「美形だし」

「顔も小さいし」




ニヤニヤしながら私のことをべた褒めする3人。

ある意味キモい。



そりゃ、自分のことをブスだとは思ったことは無いけども、言うほど美形かと聞かれればそうでもないと思う…。


自分で言うのもなんだが、中の上といったところだろう



「お前"女装"とかしないのかよー」

「そうだよ、しろよぉーう」


女装と切り出した原田に同意する平助。


両手をキモい動きでわさわさと動かし、ジリジリと近づいてくる3人。


こいつら私が女だと知ってるくせに…!!



ここには他の隊士もいるんだ。
きっぱり言わないと



「悪いが私にはそんな趣味はない」



しかし

「えー、"女装"しろよー」

「そうだそうだ」


平助と永倉が囃し立てる。

女装という単語を強調して言っているように聞こえるのは、幻聴ではない。




「嫌だ」




「もう三冷ったら、可愛いんだから☆」



か、かわ…!?かわっ……!?




「それかかれぇ!!!」


「「イエッサー」」





ドサッ!





うつ……重い…!!

突然飛び付いてきた3人に咄嗟に対応できず、そのまま倒れ混む。



女装女装とは言ったもののサスガにこの場で脱がすことはしないだろう。


案の定3人は全体重を私に掛けているだけで服を脱がそうとはしない。




ていうか
「どけ…!苦しい」



「あはははははは!!
三冷俺よりちっせー!」


「しんぱっつぁんより小さいってことは俺の方が余裕ででかいな!」



「ぅわっはっはっはっは!
この俺様に敵う者などいない!!」



「あちょ、左之!左之!!
足当たってるって」




私は足当たってるどころか、からだ全体プレス状態だわ!







「「「あっはっはっはっはっはっはー」」」














< 85 / 141 >

この作品をシェア

pagetop