嘘、鬼よ。
あ、気絶しちゃったよ…。
失神しながら倒れている男を見下ろす。
その顔をみてると無償に腹が立った。
無意識に眉にシワがよってしまい、中指と人差し指で、押さえる。
……妙に視線を感じるな。
顔をあげ確認すると、知らないうちに人だかりが出来ていたようだ。
まぁ、そりゃそうか。
真剣もった男と、こんなガキがやりあってたんだもんな。
回りに苦笑いを向け、その場から立ち去ろうとすると、後ろから誰かに腕を捕まれた。
始めはさっき倒した男が復活してまた絡んできたのかと思ったが、視界の端にはまだのびてる男の左足が見える。
では、誰か。
男の仲間か?なんて思って、すこし警戒しつつも振り替えると、同い年か少し上くらいの青年が突っ立っていた。