調○彼女
こちらを見ている視線を感じ、向こう側に目をやった

え!?せ、先輩??

少し離れた席に、こちらを向いて座っている先輩がいた!

え?何で??

先輩の前には教科書が置いてあって、真面目に勉強しているみたいだった…

え?いつから居たの??

私が困惑してると、先輩がキョロキョロしてからグミを指で摘んで、私に見えるようにわざといやらしく食べるフリをした。

私の顔がポンッと赤くなる…

ソレを見た先輩が吹き出して、回りから冷たい視線を浴びていた。

先輩が回りの人に謝るそぶりに、私もつい微笑んで見つめ合った…

私たちは遠く向かい合って勉強を始めた。

たまに見ると、先輩も真面目に勉強している…
先輩のこんな姿初めて見るな〜なんて思いながら、私は嬉しくなってまた視線を落とした。



私達は毎日図書館にいた。たまに目が合って、二人で笑う心地よさが私のやる気を導いてくれた。

まあ、最後の方は先輩のファンの子達が噂を聞き付けて集まり、影でキャーキャー言ってたのを疎ましく思ってたけど…

温室で会わなくても、先輩を近くで感じていた…

…私は幸せだった…

あの日までは…
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