調○彼女
「大丈夫?妃芽ちゃん?…あのさ、好きな子泣かせちゃだめなんじゃないの?見ろよ、こんなに怖がってるじゃん!」

先輩が優しく私を後ろに隠してくれた…

私は涙が止まらなかった…

「まず、保健室行こう!」

この優しい先輩が手を引いて、保健室まで連れていってくれた。



「あれー?ミスター桃聖と、ミス可憐じゃん!何々どうしたの?」

活発な保健の先生に言われて、私は泣いてるままに顔をあげた。

ミスター!?ミスターが助けてくれたの??

私はこの長身で俳優みたいな顔の先輩を改めて見た!

すごいイケメンでびっくりして、涙が止まってしまった…

ミスターは私の顔を見て優しく微笑み、頭を撫でてくれながら先生に事情を話してくれる。

先生はアラアラという感じで、温かいお茶をいれてくれた…

「ミスター先輩、どうもありがとうございました。クラスの皆さんにも、ありがとうございましたと。」

「おう。あんまり気にするなよ」

「はい…」

先輩はかっこよく保健室から去って行った…

…私、どうしてあんなに素敵な人を好きにならなかったんだろう…

さっき気付いた…私の好きな人…
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