調○彼女
私は先輩の事が好きなんだ…

こんな時に気付くなんて…

私はベットに腰を下ろして、温かい湯呑みを両手で握りしめた

今までの事…温室での事…恥ずかしかったけど、本当は嫌なんかじゃなかった…
先輩とするキスだって、あんなに嫌悪感を抱いたことは無い…
私、きっと最初から好きだった……

あんな変な関係でも、私はあの日からずっと好きだった…

それを…今気付くなんて…

先輩は私を好きじゃないのに…

先輩は私を見てなんかいないのに…

「大丈夫か?」

先生が心配そうに見つめるので、私は慌てて顔をあげ「はい」と返事をした。

「ついててあげたいんだけど、私、今から職員会議なの…一人で大丈夫?」

「は、はい。すみません、お忙しいときに…」

「何言ってるの!ゆっくりしていきなさい」

先生は笑顔で部屋から出て行った…
でもすぐ廊下から声が聞こえた…

「あら?あなた…お迎えに来てくれたの?」

先生の知り合いかな?

「結城さん、お迎えが来てるわよ」

先生が廊下からひょっこり顔を出してくる。

お迎え?

私は不思議に思って廊下まで歩いて行ったら、そこにはヒカリ先輩が立っていた…
< 65 / 89 >

この作品をシェア

pagetop