調○彼女
…息が止まった…

先生が慌てて職員室に歩いていってしまった…


廊下に二人きりになって、私は俯いた。顔を見ることが出来なかった…

「…大丈夫?その…迫られたって聞いたから…」

一体何の心配?私の体?

「…泣いてるって聞いて…」

先輩が私を一番苦しめているんですけど…?

「この間の事謝りたくて!ついカッとなって、売り言葉に買い言葉でついひどいことを言っちゃったから…泣かせちゃったし…」

優しい言葉なんかかけないでよ…許してほしいだけでしょ?身代わりのままでいてほしいだけでしょ?

「ごめん…本当にごめんなさい」

…先輩…私の事…好き?少しでも私の事見てくれるの?彼女の代わりじゃなく私自身を…

「許してほしい…だから前みたいに…」

!!!

私は信じられない言葉に、思わず先輩を叩いていた

『前みたいに彼女の身代わり』…そんなこと出来るわけが無い…

そんなことできない!

「…これ以上…これ以上踏みにじられるなんて…」

涙で声が詰まって、うまく話せなかった…

「これ以上…けがされる…なんて真っ平ごめんです…あんたなんか大嫌い!…先輩なんか大嫌い!」
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